
今年のハロウィーンはいかがでしたか? ご報告が遅くなりましたが、第31回「The Decipher」のレポートを掲載いたします。
【議題】
- 東京のハロウィーン
- 世界におけるハロウィーンの普及状況
- ロシアのハロウィーン
議事録
- 渋谷区はハロウィーンを規制してきました。その動きは海外からどう見えるのか? 日本の高齢化社会は若者の楽しみを上から抑え付けようとしているとThe Economistは述べています。「俺たち(若者たち)のghouls(悪霊)を助けてくれ」と意味深な小見出しも……。
- ハロウィーンの流行は世界中で拡大しています(World Population Review)。このケルト文化(ドルイド教の呪術。秋の収穫を祝い、悪霊や魔女などを追い出すとされている)はグローバルスタンダードになりつつあるのでしょうか? そうともいえず、ハロウィーンを受け入れない国や後回しにしている国も少なくありません。
- たとえば、ロシア。ある議員はハロウィーンを「悪魔信仰(satanism)」とみて、同国の伝統文化や若者の精神を弱める恐れがあるため、ハロウィーンは法律で禁止すべきであると訴えています(RT)。
- 参加者の間では悪魔信仰が理解しづらいという意見があった一方、ロシアが異文化(ハロウィーン)に抵抗していることを知ったある人からは「日本は海外の文化を容易に受け入れすぎかも」という声もありました。
- 日本も秋の収穫を祝います。編集者・松岡正剛の案内を手掛かりに、いま考えていることをラフにスケッチしておきたいと思います。日本の神々は「客神」。ゲストとして「迎えられ、送られる神だった」と言います。対して「ユダヤ・キリスト教の神は唯一神であるとともにホストの神」。そんな日本の客神はコメ信仰につながります(松岡正剛著『日本文化の核心:「ジャパン・スタイル」を読み解く』講談社現代新書〔2020〕)。日本とヘブライズムの神や信仰の違いがわかりやすく説明されています。心配なのは、日本のお米の管理が今日おかしくなっていること。日本の仕組みが混沌としているときに、異文化の人気が高まっているのは偶然でしょうか? ハロウィーンを日本化するなら、トリック・オア・トリートのお菓子にはお餅を使うというルールをつくってみてはどうだろうか。
